Thursday, December 09, 2021 10:05 AM

富士通とMITのCBMM、高精度の画像認識人工知能を開発

 富士通とマサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology=MIT)の脳・心・機械研究センター(the Center for Brains, Minds and Machines=CBMM)は12月8日、人工知能モデルの精度向上に向けた共同の取り組みにおいて、重要な成果をあげたことを報告した。

 ベンジンガ誌によると、両者が共同開発した人工知能技術は、照明や視点が異なっても高い精度で画像を認識できるのが特徴だ。人の認知特性と脳の構造から発想した、とCBMMの研究班は説明した。

 応用例の可能性としては、観測条件の変化に対応できる交通監視や、さまざまの病変を正確に認識できる画像診断が挙げられる。

 両者が共同開発した技術は、複数の深層神経回路網(deep neural networks=DNNs)を属性情報(たとえば形状や色)ごとにモジュールに分けて学習させるしくみだ。OOD(out-of-distribution)データでは、人工知能による認識精度が大きく下がるという課題がある。異なる環境や条件(明るさ、視点の角度、色調)で全データを完全に学習させることが実質的に不可能であるためだ。

 両者の研究班はそこで、見え方に違いがあっても視覚情報を正確にとらえて分類するという人間の脳の機能と構造に着目した。画像データをDNNsに供給すると、対象物の見え方と分類の反応の違いが生じる。両者の人工知能技術は、それらをもとに独自の指標を導き出す。同技術はさらに、はじき出された指標をもとに、属性情報ごとのモジュールにDNNsを分割して学習させることで、認識精度の向上を可能にした。

https://www.benzinga.com/pressreleases/21/12/a24515792/fujitsu-and-mits-center-for-brains-minds-and-machines-develop-ai-technology-inspired-by-the-human-