Tuesday, October 13, 2026 7:08 AM

テスラ、欧州のFSD承認めぐり規制当局に圧力

 テスラは、先進運転支援システム「フルセルフドライビング(FSD)」の欧州承認を加速させるため、各国の規制当局に強く働きかけている。

 インサイドEVsによると、同社は「欧州全域でのFSD導入が遅れることで人命が失われている」と主張。ただ、研究者はこれを裏付ける科学的な証拠はないと判断している。ロイターが入手したテスラとオランダの規制当局RDWとのメールのやり取りからは、テスラがRDWに繰り返し審査の範囲や厳格さを「調整または縮小」するよう働きかけていたことが判明した。審査の費用や規模に関するテスラの不満を受け、RDW職員の1人は、必要な審査を「調整または縮小する」方法について話し合うことを提案していた。

 審査を受ける企業が規制当局と「審査をどの程度厳格に行うべきか」を交渉したとなると、安全性評価の独立性が疑われも仕方がない。ところがRDWはロイターに対し「こうしたやり取りは通常の審査手続きであり、独立性は損なっていない」と反論している。最終的にオランダ当局はFSDを承認し、その後、ベルギー、デンマーク、エストニア、リトアニア、チェコ、スロベニア、クロアチアなども承認した。

 また、テスラは規制当局に圧力をかけるため、Xを通じてファンにも働きかけている。スウェーデンやノルウェーでは、承認を急ぐよう求めるファンからのメールが当局に多数届き、一部には「承認しなければ当局が死亡事故の責任を負うことになる」と迫る内容もあった。

 FSDは完全自動運転ではなく、常に人による監視が必要で、事故の責任はドライバーが負う。EU全域での承認の是非を問う採決は12月以降に予定されており、欧州当局が独立して厳格にテスラの主張を検証できるかが今後の焦点になる。