Wednesday, January 04, 2017 12:07 PM
インテル、ヒアの15%を取得へ〜自動運転技術市場での存在感増強を狙う
インテル(Intel)は3日、オランダ本社のデジタル地図化技術および位置情報サービス会社ヒア(HERE)の15%を取得することを明らかにした。
ヒアは、独自動車製造大手のダイムラーとBMW、フォルクスワーゲン(VW)の3社がノキア(Nokia)から買い取った会社で、自動運転車やモノのインターネット(IoT=Internet of Things)向けの技術を提供している。
コンピュータワールド誌によると、インテルとヒアは、「リアルタイムの高精細地図を自動運転車に提供できる高い拡張性かつ実証済みの最新構造を共同で開発するとともに、IoTや機械学習向けの商機の開拓も模索する」計画だ。
インテルがヒアの15%をいくらで取得するのかは非公表。出資手続きは2017年第1四半期中に完了する見込み。
成長が見込めないパソコン向けプロセッサー事業に代わって、成長が確実視される自動運転車向け技術市場での存在感を高めることで新たな収入源を確保することがインテルの狙いだと指摘される。
自動車製造業界では昨今、自動運転技術の開発にからんで従来の生態系が崩れつつある。これまでは、自動車メーカーが技術や部品の仕様、量、価格を指定して供給業者に発注していた。しかし最近では、公開技術を土台にしてシリコン・バレー企業と技術提携する動きが強まっている。
アルファベット(Alphabet)傘下のグーグル(Google)から独立した自動運転技術開発会社ウェイモ(Waymo)は、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)との提携によって、自動運転技術をFCAのミニバンに搭載している。FCAはその試作車を昨年末に公開したばかり。
アップル(Apple)でも、電気自動運転車の独自開発路線を軌道修正し、技術開発に特化して自動車メーカーとの提携を模索している。