Monday, January 09, 2017 12:23 PM

送電網へのサイバー脅威が深刻化

 エネルギーの管理担当者に課される課題として、サイバー攻撃の脅威が深刻化している。

 顧客2万人を持つ電力会社バーリントン・エレクトリック(Burlington Electric、バーモント州)のノート・パソコンに、ロシア諜報局との関係が疑われる悪質ソフトウェアが見つかったことは、2016年末に報じられたばかりだ。

 エネルギー・マネジャー・トゥデイ誌によると、同社のノート・パソコンは送電網に直接的に接続されておらず、停電も起きなかったが、悪質ソフトウェアの発見は、送電網の脆弱性をあらためて浮き彫りにする出来事と位置づけられている。

 重要な社会基盤に対するサイバー攻撃はこれまでにも多数起こっている。送電網の制御網のなかには、インターネット時代前に設計されたものがあるため、比較的容易に実行できるサイバー攻撃もある。

 エネルギー管理者にできることとしては少なくとも二つ指摘される。冗長性を高めることと知識を深めることだ。

 再生可能エネルギー源は、蓄電機能を併設する場合が増えていることもあり、サイバー脅威への対策となる可能性がある。一時的かつ部分的な対策にすぎないが、冗長性を高めることは給電の完全停止を回避できるかもしれない。

 知識を強化するという点については、米国土安全保障省が現在、行政および民間部門を対象とした研修を拡充しつつある。この種の研修は、ウェブ経由の自己学習や教室での講義で構成される。米国の送電網管理専門家や技術者、セキュリティー担当者が受講できるほか、外国から参加できる場合もある。

http://www.energymanagertoday.com/prepare-for-grid-hacking-0129517/