Monday, February 13, 2017 11:35 AM
ウェルズ・ファーゴ、フィンテック開発に注力〜技術革新部門を新設し刷新強化
米銀行大手ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)は、イノヴェーション・グループという新事業部を設立し、人工知能(AI)を含む最先端技術を応用してフィンテック事業の拡充に注力している。
フィンテック(fintech)とは、ファイナンシャルとテクノロジーの2語を合体させた造語で、金融業務向けの技術やソリューションを意味する。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、イノヴェーション・グループの主目的の一つは顧客体験を向上させるための技術開発で、たとえば、200ドルを貸してほしいとテキスト・メッセージで頼まれた場合に、送金アプリケーションがスマートフォン上で自動的に起動し、家族や友人間でのモバイル送金を簡便化するといったサービスが想定される。
同部門では、決済技術と人工知能、そしてAPI(application programming interface)を重要3分野に位置づけている。
人工知能技術の開発では、詐欺行為や不正行為の検知、契約内容の精査、規制遵守、サイバーセキュリティーへの応用に重点が置かれる。
金融サービス会社のあいだでは昨今、人工知能技術を応用して顧客体験の向上や問題処理、対策、定型業務の効率化にいかに役立てられるかに注力する動きが加速している。
調査会社IDCによると、企業による人工知能支出総額は、2016年の80億ドルから2020年には470億ドルに達すると予想される。金融サービスはそのなかの主要業界の一つだ。
ウェルズ・ファーゴでは、従業員が顧客に無断で口座を開設してクレジット・カードを発行していたことが2016年に発覚し、規制当局の調査を受けた。当時のCEOだったジョン・スタンプ氏は引責辞任し、多くの社員が解雇された。