Wednesday, March 22, 2017 10:26 AM
検知器やカメラ、AIを農場ロボットに統合へ
カーネギー・メロン大学ロボティクス研究所(Robotics Institute)の研究班は、世界的な人口増加に備えて食料供給を確保するために、検知器やロボティクス、人工知能(AI)を一体化したモバイル現場ロボットの開発に取り組んでいる。
フォーブス誌が掲載した科学技術系記者のジェニファー・カイト=パウエル氏の寄稿記事によると、「ファームヴュー(FarmView)」と呼ばれる同研究では、農地データを正確かつ適時にロボットで収集することによって、小さな土地で質の高い農作物をより多く、水資源もできるだけ節約して栽培するための農家の意思決定を支援し最適化する。
ファームヴュー計画で使われるモバイル現場ロボットには、撮影用カメラをはじめ、植物の形状を調べるレーザー・スキャナー、植物の育ち具合を計測する多重スペクトル・カメラが実装されている。
たとえば、ブドウ農家の場合、ロボットで制御する検知器によってブドウの木を数え、次に意思決定支援システムによって葉摘みや摘果を調整することで、ブドウの栽培環境を最適に保つことが可能になる。
また、機械学習ツールによって作物の遺伝表現型データと遺伝および環境データを一体化することで、遺伝と環境、作物の生育状況の関係について、育種家や遺伝学者の理解を支援することもできる。
この種の育種支援は、サハラ以南といった発展途上国の食料供給を大きく改善できる可能性がある。
ファームヴュー計画では、ロボットによる表現型検査を活用し、バイオ燃料用穀物としてのトウモロコシの品種改良の加速を目指す事業計画についてクレムソン大学と協力する。
そのほか、ブドウ生産の効率と品質向上のための研究事業では、コーネル大学およびカリフォルニア大学デイヴィス校と提携している。
カーネギー・メロン大学ロボティクス研究所はさらに、苗床と温室作物向けのインテリジェント注水制御システムの開発に向けて、メリーランド大学を含む複数の大学と協力関係を結んでいる。