Monday, April 10, 2017 10:45 AM

データ解析で手術室運用や患者の事故防止を効率化

 カリフォルニア州のエル・カミーノ病院は、手術室の使用予定調整や医療サービスの向上を図るために、ビジネス・インテリジェンス・ソフトウェアの活用を強化している。

 ヘルス・データ・マネジメント誌によると、エル・カミーノ病院は数年前に、アナリティクスMD(analyticsMD)のアプリケーションを購入した。アナリティクスMDはのちにキューヴェンタス(Qventus)という社名に変わっている。

 エル・カミーノ病院は、データ解析技術を使って手術室の時間割り編成を時間帯ごとに最適化する方法や、時間割りが守られているかを追跡する方法、スケジュール遅延の原因を特定する方法についてキューヴェンタスから研修を受けてきた。

 両社は、手術室の回転率といった効率基準を見直し、その結果を手術の必要性に応じた担当スタッフの配置に役立てている。

 たとえば、外科医らが時間帯ごとに手術室を予約する際に、仮に午前7時30分から正午まで使う場合には、予約時間帯の最低75%をその執刀医が実際に使っているかいなかをソフトウェアによって解析する。75%が使われていない場合には、ほかの外科医にその時間帯を開放することで、手術室の効率的利用が可能になった。

 また、エル・カミーノ病院は以前、入院患者の寝台転落事故の防止に取り組んでいたが、転落リスクのある患者を特定できても、転落理由がわからなかった。そこで、患者の緊急呼び出し灯使用状況についてキューヴェンタスと検証し、意図的または偶発的呼び出しの割り合いや、患者が寝台から出ようとする頻度を解析した。

 その結果、患者が抱えるニーズの多くが効率的に満たされていないために、患者が看護師を頻繁に呼び出していることが分かった。それを受けて、患者側の入院体験を改善する具体的かつ効果的な取り組みを実行し、転落高リスク患者の割り出しが可能になった。看護師呼び出しの頻度は激減したという。

 同病院は現在、看護師ステーションや、場合によっては転落高リスク患者の病室にカメラを設置し、寝台から自力で出ようとする患者の転落事故を防いでいる。

https://www.healthdatamanagement.com/news/analytics-help-el-camino-boost-efficiency-in-scheduling-staffing