Wednesday, April 12, 2017 11:07 AM

遠隔地での電力自給自足を可能にするシステム

 環境に配慮したエネルギー技術を手がける英ソーラーボタニック(SolarBotanic)は、再生可能エネルギーを使って遠隔地で電力自給自足を実現するシステムを開発した。

 デジタル・ジャーナル誌によると、都市部から遠く離れた小村や島しょ部、高地に給電するには高いコストがかかるため、同社の新システムに期待が寄せられる。遠隔地域での電力確保コスト高は最近のEU指令でも指摘された課題だ。

 ソーラーボタニックがブルーネル大学(ロンドン)と協力して開発した新システムは、太陽光と独自設計の機械タービンを組み合わせて発電し、再生型水素燃料電池(reformed hydrogen fuel cells=RHFC)で蓄電する。

 ソーラーボタニックでは、同システムの有望用途として、僻地にある携帯電話用通信塔への給電を挙げている。

 「遠隔地にある通信基地局は、信頼性の低い送電網を使うか、または送電網がまったくない状況での運用を余儀なくされている」「送電網のない基地は、ほとんどがディーゼル発電を使っている」「投資と維持、さらに燃料にかかる高いコストを削減するうえで、RHFCが解決策になる」と、ソーラーボタニックの広報担当者は説明している。

 RHFCには、電力容量とエネルギー容量を個別に設定できるという利点もある。水素電池にエネルギーを貯蔵することで、柔軟性がもたらされ、ほかのどの媒体よりもはるかに高いエネルギー密度が実現する。そのため、同システムを利用した通信基地局は、マイクログリッドのエネルギー源として機能することもできる、と同社は強調する。

 同社によると、新システムは、日照や風がない場合でも最大10日間にわたって稼動を続けることができる。同システムの寿命は15年以上。また、外観設計にも配慮して景観を破壊しないよう工夫されている。

http://www.digitaljournal.com/pr/3302406