Tuesday, April 18, 2017 10:26 AM
データ・センター市場に世界的な統廃合〜クラウド利用や事業資源の集約化で
急成長を遂げてきたデータ・センター業界だが、施設の数と面積が世界的に縮小していることが判明した。利用企業のあいだでデータ・センター機能を集約する傾向が強まっていることと、クラウド・サービス利用企業の増加がその主因だ。
コンピュータワールド誌が報じたIDCの調査報告によると、世界のデータ・センターの数は2015年に855万ヵ所に達したのをピークに減少に転じ、2017年に840万ヵ所に減ると予想される。2021年には、2015年比で15%減の720万ヵ所まで減る見通しだ。
アマゾン(Amazon)やマイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)といったオンライン・サービス大手らのデータ・センター施設拡張にともない、床面積は2013年の16億平方フィートから2017年には18億平方フィートに増加する。しかし、今後はおもにクラウド電算普及の影響によって床面積も縮小すると見込まれる。
データ・センター縮小傾向の理由について、同業界専門コンサルティング会社ビック・グループ(Bick Group)のタッド・デイビーズ氏は、ソフトウェア・スイート製品「オフィス365(Office 365)」や顧客関係管理(CRM)製品のクラウド化、そして、企業による電算能力集約を挙げる。
デイビーズ氏によると、特に最近の新しい企業はクラウド優先の戦略を掲げ、さまざまの機能をクラウド環境に集約し、事業規模が拡大してもデータ・センター利用を広げない傾向がある。
さらに、米国政府といった大規模のデータ・センター利用者らは、サーバーの稼働効率化による電算能力の集約を進めているため、運営するデータ・センター群の規模を縮小させている。
ソフトウェアとハードウェアを含むデータ・センター・システム市場の売上高は、クラウド・サービス普及の影響ですでに伸び悩んでいる。調査会社ガートナーによると、2016年のデータ・センター投資額は前年比0.1%減少し、2017年も0.3%増にとどまる見通しだ。