Wednesday, April 19, 2017 10:16 AM

オラクル、HR製品を完全クラウド化

 オラクル(Oracle)は、現場実装型アプリケーションを使っている顧客企業に通知することなく今後の人材資源(HR)管理プラットフォームを完全クラウド型に移行させる方針を顧客企業に告知中だ。

 また、オラクル傘下のHR製品であるピープルソフト(PeopleSoft)やイービジネス・スイートHR(E-Business Suite HR)といった社内ホスティング型(現場実装型)アプリケーションの利用者たちが切り捨てられることはなく、今後も更新、新機能を提供し続ける方針も顧客企業に伝えられた。ただ、クラウド型のHCMシステムのほうが、オンプレミスの仕組みよりも先に多くの新機能が追加されるようになる。

 コンピュータワールド誌によると、オラクルは、クラウド基盤HR製品の人材資本管理(Human Capital Management=HCM)システムをHR製品の主流かつ中核と位置づけ、今後はHCMシステムだけを刷新していく。

 たとえば、企業市場で導入が加速しているチャットボット機能はHCMシステムに追加されるが、現場実装型のHR製品に同機能が追加されるのかは不透明だ。

 ボット(bot)とは、コンピュータやオンライン機能を使った作業を補佐する簡便化ソフトウェアまたは作業代行ソフトウェアで、代理人ソフトウェアと呼ばれることもある。チャットボットは、ボット機能を基盤として、問い合わせる人と答える側とを自然言語のテキスト会話形式で画面上での質疑応答に対応する自動解答ソフトウェア。

 企業各社では近年、ボットを導入することで、たとえば顧客対応サービス部門の業務を機械化する動きが非常に強まっている。それが最近ではHR部署に応用されつつある。

 大企業の多くでは、従業員からの問い合わせが多いHR部署にチャットボットを導入することで、HR担当者たちの業務効率化を図る動きを強めつつある。

 HRソフトウェア自体の全体的需要は昨今、低調気味で、したがってオラクルでは、運営コストの低いクラウド提供にほぼ完全に移行することで、HR製品の利益率低下を回避しようと考えているのではないか、という指摘もある。

http://www.computerworld.com/article/3189761/enterprise-applications/on-premises-hr-users-risk-being-left-behind-oracle-says.html