Tuesday, April 25, 2017 10:16 AM
人工知能と新画像技術で乳がんを早期発見
WHO(世界保健機関)によると、インドでは乳がんだと診断された女性の半分は5年以内に死亡する。米国でのその割り合いは5人に一人、中国では4人に一人だ。インドと米国の違いは、早期発見につきる。
発展途上国では、検診施設やエックス線技師が決定的に不足し、さらに、検診費用が一般庶民にとって高額すぎるという理由から、乳がんだと診断されたときにはすでに末期の場合が多い。インドでは、がんで死亡する女性にとって最大の死因は子宮頸がんではなく乳がんだ。
ビジネス・インサイダー誌によると、バンガロール拠点の新興企業ニラマイ(Niramai)は、乳がんの早期発見を促進するために、機械学習と人工知能、そしてクラウド電算を組み合わせることで、検診費用を大幅に低下させる新システムを開発した。
ニラマイは、インドの新興企業群のなかで将来をもっとも有望視される20社の一つに数えられる。
同社の社名は、「Non-Invasive Risk Assessment with Machine-learning and Artificial Intelligence」の頭文字をとったもの。直訳すれば、機械学習と人工知能による「非侵襲リスク評価」という意味だ。
同社の新システムは、高解像度の熱画像を撮影する低コストの機器を使う。放射線は不要。人工知能はクラウド経由で画像分析に使われ、それによって乳がんの有無を診断する。
一般的な方法である乳房エックス線撮影は、高額の機器と経験のあるエックス線技師を必要とするため、後進国の庶民には手が届かない。
ニラマイは、表面温度計測技術を使うことで乳房エックス線撮影や臨床診断より5年早く腫瘍を検知できるサーマリティックス(Thermalytix)という技術を開発し特許を取得している。高解像度の熱画像は、そのサーマリティックスによって可能となった。
同社の新システムは、インドだけでなく世界中での需要を見込めると期待される。