Monday, May 01, 2017 10:10 AM

AT&Tの5Gサービスは偽物の可能性

 米通信サービス会社(キャリヤー)大手のAT&Tは、第5世代(5G)の無線通信規格とうたう次世代サービスの開始計画を最近発表したが、それは厳密には5Gではないという指摘が表面化した。

 AT&Tの5Gサービス「5Gエヴォリューション(5G Evolution)」は、2017年末から全米20都市で提供開始される見通し。対象都市には、サンフランシスコやナッシュヴィル、ボストン、シカゴ、アトンランタ、オースティン、ロサンゼルスが含まれる。オースティンの一部では同サービスが試験的にすでに始まっている。

 同サービスに対応したスマートフォンは現在、韓国サムスン(Samsung)のギャラクシーS8および同プラスだけ。

 AT&Tによると、同サービスのダウンロード速度は、現行の高速無線接続規格である4G(LTE)の平均速度の約2倍。

 ヴァリューウォーク誌によると、5Gの無線通信網は、ミリメートルのラジオ波(mmWave)帯域を使うため4Gと異なることから、5Gを利用するには別の専用アンテナが必要になる。

 AT&Tの現行技術は5Gにまだ対応しておらず、また、5G規格は、3GPPや国際電気通信連合(ITU)が策定することになっており、正式の標準規格はまだ最終化されていない。

 さらに、AT&Tの5G計画は、5G用帯域幅の競売において競合社のベライゾンが高額を入札したことが明らかにされた直後に発表された。そのため、業界専門家らの一部では、危機感を感じたAT&Tが販促の一環として、4Gを少し高速化させたサービスを5Gと呼んでベライゾンに先行しようと図った可能性がある、と指摘している。

http://www.valuewalk.com/2017/04/att-fake-5g/