Thursday, May 04, 2017 9:49 AM
ベライゾン、プライベート・クラウド事業をIBMに売却
ベライゾン(Verizon)は3日、プライベート・クラウド・サービスとマネージド・ホスティング事業をIBMに売却することで合意したことを明らかにした。IBMは買収手続きを2017年中に完了させる計画。売買額は非公表。
ベライゾンは、自社のデータ・センター群のうち29ヵ所をエクイニクス(Equinix)に36億ドルで売却した手続きを数日前に完了したばかり。
テッククランチ誌によると、ベライゾンによる一連のクラウド関連事業および資産売却は、かつて非常に熱心だったクラウド事業から撤退するベライゾンの大きな戦略転換を示すものだ。同社は2011年にテレマーク(Terremark)を買収して、データ・センターとクラウド電算サービス市場に進出した。
ベライゾンの法人向けソリューション担当上席副社長ジョージ・フィッシャー氏は、IBMとベライゾンが今後、クラウド・サービス群とネットワーキングについて複数の「戦略的事業構想」で協業する、と説明したが、その内容については言及しなかった。
ベライゾンは、パブリック・クラウド・サービスを2016年に打ち切っている。同社はその分野で最大手のアマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)をはじめ、マイクロソフト・アジュール(Azure)やグーグル、そしてIBMに対抗するほどの勢力に到達したことがなかった。プライベート・クラウド市場でもベライゾンの存在感は皆無だった。
そのため、業界専門家らは、ベライゾンがそれらの業界大手を相手に勝ち目のない競争を続けるより、撤退して別の事業に資源を集中させたほうが今後の成長戦略として有益だという結論を出した、と憶測している。