Wednesday, May 17, 2017 10:35 AM
HPE、未来型電算機のザ・マシーンをついに披露
ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は16日、コロラド州フォート・コリンズの研究所で、ザ・マシーン(The Machine)の試作機をついに披露した。
HPEのカーク・ブレスニカー氏は、ザ・マシーンの概念設計を白板に描いた2004年以来、未来に飛び込める最先端の電算機の開発に注力してきた。現在、HPEラブズの最高設計責任者を務める同氏は、2014年に発表された試作品構築計画を含め、ザ・マシーンの開発を牽引した人物。
PCワールド誌によると、今回初めて披露されたザ・マシーンの試作機は、ブレスニカー氏とHPEが2014年に描いた姿と大きく異なるが、メモリー・サブシステム群に演算処理を任せるという当初からの基本原理を踏襲している。同システムは、従来型のパソコンやサーバーの演算処理方法に関連する限界を打ち破るものだ。
ザ・マシーンの試作機は、160TBという巨大なメモリー容量を持つのが特徴。現存するサーバーでは単体でそれだけのメモリー容量を実現できない。
ザ・マシーンは、1280個のキャヴィウム(Cavium)ARM CPUコアで稼働し、40個のチップの接続はメッシュ・ネットワークに組み込まれている。その結果、メモリーとプロセッサー・ノード群はデータを簡単にやり取りできる。
また、演算処理をメモリー・サブシステム群で分解させるザ・マシーンは分散型電算システムともいえる。
企業が蓄積するデータの量は激増を続け、接続化されたアプリケーション群を稼働させるための演算処理は複雑化する一方だ。多くのトランジスターや各種の機能をチップに詰め込むには限界がある。
そのときがいよいよ迫ってくる際に、従来型の高性能電算システムではなく、ザ・マシーンによって企業の電算処理需要に応えようというのがHPEがの狙いだ。