Wednesday, October 04, 2017 5:46 PM
ビッグ・データ分析で薬物中毒の対策強化
麻薬の過剰摂取による米国の死亡者数は年間6万4000人に上る。その大半はオピオイド系鎮痛剤によるものだ。オピオイドは医薬品として流通しいるため、問題をさらに深刻化させている。オピオイド系鎮痛剤は処方箋があれば入手できるが、不正入手によって中毒になる人が後を絶たない。
フォーブス誌によると、その問題を解決するためにビッグ・データ分析を活用することで、鎮痛剤を必要とする患者と中毒者を識別する対応策がいくつかの州政府によって進められている。
ミズリー州の場合、低所得者向け医療保険制度(メディケイド)「MOヘルスネット」のもと、ゼロックスのデータ分析ソリューションを採用して、オピオイド系鎮痛剤がだれに処方されたかを追跡し、偽の処方箋によって入手しようとする中毒者を特定できるようにしている。
一方、インディアナ州では、オンライン・オピオイド・データ・センターを開設し、警察や病院、薬局といった関係機関から集まるオピオイド系鎮痛剤に関するデータを一元管理することで、薬物中毒防止に効果的な対策や措置の立案を図っている。
インディアナ州の場合、それらのデータを分析した結果、偽の処方箋で入手されたと思われるオピオイド系鎮痛剤の中毒者らの分布実態を視覚化し、それにもとづいて判明した中毒者密度の高い地域群に5つの中毒治療センターを設置した。
治療したいと思っている中毒者は多く、それらの治療センターに通うようになった中毒者たちは増えており、効果が出しつつある。