Friday, October 06, 2017 12:44 PM

店内技術の応用で実在店舗の復活を狙う

 米高級百貨店チェーン大手のニーマン・マーカス・グループ(Neiman Marcus Group)は、オンライン小売業者らに市場を奪われ、業績悪化に直面し、新規株式公開(IPO)の失敗も強いられた。同社はそこで、ニューヨーク市内ソーホー地区に開店した臨時店舗において、実在店舗の弱点を克服する技術応用によって巻き返しを狙っている。

 同臨時店舗は、ファッション誌「マリー・クレア(Marie Claire)」とマスターカードによる合弁事業の期間限定店として10月12日まで営業し、小売向け技術応用の実験室として機能する。ニーマン・マーカスは同事業に出資していない。

 電子商取引が百貨店の売り上げを奪い続けるなか、ブリック・アンド・モルタル(brick-and-mortar=実在店舗)の集客力を取り戻せる店内技術の応用はなにかをつきとめることが同事業の狙いだ。

 ブルームバーグによると、同臨時店舗の試着室には、指触操作型の姿見群が設置されており、利用客はそれらを指先で操作して別のサイズや色を持ってきてもらうことができる。

 そのほか、消費者らはキャッシュ・レジスターのまえに並ばずに、店内のいたるところで店員のモバイル決済システムを使って支払いを済ませることができる。実在店舗の最大の弱点の一つとしては、キャッシュ・レジスターのまえに並ばなければならないことがこれまでの調査で判明している。

 さらに、店内にはモバイル端末充電器群が設置されており、来店客らは自分のスマートフォンやタブレット、身体装着型端末を自由に充電できる。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-02/neiman-marcus-looks-to-fix-retail-pain-points-at-pop-up-store