Monday, October 16, 2017 11:26 AM
Tモバイルとスプリント、資産売却なしの合併を発表へ
米携帯電話サービス業界3位のTモバイルUSと同4位のスプリント(Sprint)は、資産売却なしでの合併合意を向こう2〜3週間のうちに発表する計画だ。ロイター通信が関係者らの話として伝えた。
両社は、それぞれの周波数帯をできるけ維持しながらコスト効果の向上を図る姿勢。
司法省の独占禁止法局は一般に、同業社らが合併する際に健全な市場競争を担保するために、当該企業らの事業資産の一部を競合社や同業中小企業に売却することを合併企業らに求めることが多い。合併後の強大化によって競争原理が機能しなくなることを防ぐためだ。
Tモバイルとスプリントは合併後に、無線通信用帯域幅300メガヘルツの大半を保有することになる。そのためUBSの業界専門家は、司法省独占禁止法局がその点を問題視するだろうと指摘する。
実際、独禁法局の高官らは、両社の合併に反対する考えであることが先日報じられたばかり。
しかし、スプリントの親会社ソフトバンクとTモバイルの親会社ドイツ・テレコムは、スプリントとTモバイルが合併しても、業界2強のベライゾン・ワイヤレスとAT&Tに次ぐ3位にとどまることから、健全な市場競争原理を脅かすことはないという見方のもと、独禁法局の譲歩を求める姿勢だ。
両社の合併後の加入者数は1億3000万件以上となり、2強に肉薄する第三勢力になる。その結果、消費者に利益をもたらす競争が実現するというのがソフトバンクの孫正義社長の主張だ。
ただ、独禁法局の懸念を払拭して合併承認をまず取り付けてから、2強に挑戦する新たな戦略を構築すべきという業界専門家の見方もある。
孫氏は、スプリントの大部分を2013年に約2兆円で買収したあと、当時4位だったTモバイルとスプリントを合併させようと試みた。しかし、独禁法局と連邦通信委員会(FCC)が市場寡占化を懸念して合併案を承認しない方針を明示したことから、2014年に合併交渉を断念した。