Friday, February 16, 2018 11:00 AM
最先端のデータ分析で金融市場の将来を予想
フロリダ州ジャクソンヴィル拠点の新興企業メラグリム(Meraglim)は、最先端の予測分析ソフトウェアによって未来の金融市場を予想するシステムを開発した。顧客である投資会社の資金運用に役立てることが狙いだ。
フォーブス誌によると、メラグリムが開発した「レイヴン(RAVEN)」という金融データ分析システムは、IBMの人工知能「ワトソン(Watson)」を基盤にしたソフトウェアで、金融市場専門家らが追跡したい事象をレイヴンで特定すると、それらの事象に関する一連の情報をリアルタイムで集めて読破して、その内容と分析結果を報告する。
たとえば、中国通貨の元の低下を懸念する投資専門家が月曜朝に出勤した際に、「週末に何が起きたか?」とレイヴンに聞くと、「あなたが指定している4件の追跡対象のうち、二つについては大きな影響をあたえると判断できる動きがあった」「それについて知りたいですか?」とワトソン経由でレイヴンが回答する。
それに対し「はい」と答えると、レイヴンはつづけて「中央銀行の副総裁が北京で演説した。われわれは、その内容があなたの投資にとって好材料だと判断する」「そのテキストを聞きたいですか?」と聞き、同意するとその内容が読み上げられる。
ワトソンは、1日あたり900万件の記事や書籍、資料を読むことができる。メラグリムは、ワトソンのその能力と自然言語処理を活用して、投資専門家たちの指定内容を追跡して、口頭での質問に対し音声によって回答する。
メラグリムがワトソン経由で提供できる情報量は、投資専門家たちが何人もの部下を使って情報やデータを探し出して読みまくっても追いつける処理量では到底ない。投資専門家らはメラグリムを使うことで、より多くの関連事象や動向、情報、データを知ることができ、それに応じた投資判断をくだすことが可能となり、顧客から預かっている投資資金の運用を最適化できる。
メラグリムのケヴィン・メッセンギルCEOによると、2018年の投資市場動向に関してレイヴンが導き出した予想の一つに仮想通貨危機が挙げられる。