Tuesday, March 13, 2018 11:43 AM

ロイター、人工知能の補佐役を実用化

 ニュース記事提供大手ロイター(Reuters)は、記者のアシスタントとして人工知能(AI)システムを導入した。記者向け補佐業務に人工知能を実用化した報道会社として同社は最初となった。
 アナリティクス・インサイト誌によると、ロイターが採用したAIプラットフォーム「リンクス・インサイト(Lynx Insight)」は、膨大な量のデータを分析し、記者が求めている情報を提供する。たとえば、始終変動する株式市場を追跡し、市場のわずかな変化を検知して記者に知らせる。
 記者は、それらの情報を電子メールやメッセンジャー、専用の端末機器で受け取れる。また、記者が関心を持った特定のニュースについて詳細情報を探し出して提供する。さらに、記者は受け取るニュースを自由に絞り込むよう設定できる。
 リンクス・インサイトはいまのところ、金融市場に関するデータだけをあつかうが、今後、ほかの分野のデータにも順次対応していく。
 人工知能をジャーナリズムや記事執筆に応用する動きはこれまでにもあった。ロサンゼルス・タイムズでも、人工知能による記事執筆を実験したことがある。
 ロイターでは、金融や投資情報に関する記事について人工知能による自動編集を試みたことがある。しかし、人工知能による記事執筆や編集では掲載可能の記事を書けないという結論にいたり、記者の補佐役として応用する協業体制が最善と判断した。
 そのほか、人工知能を記事執筆に応用する報道会社にはプロパブリカ(ProPublica)がある。同社は、機械学習技術を使って議会の審議内容を分析している。また、ニュース・サイトのバズフィード(BuzFeed)では、機械学習アルゴリズムを使って航空機の航行データを解析し、スパイ機を見つけ出すシステムを構築している。
https://www.analyticsinsight.net/how-reuters-is-transforming-journalism-with-artificial-intelligence/