Friday, April 13, 2018 10:30 AM

遠隔医療やデータ解析、人工知能に照準

 クリーブランド・クリニック(Cleveland Clinic、オハイオ州)のトム・ミハイエヴィッチ新CEOはこのほど、患者ケア向上を目的に遠隔医療とデータ解析、人工知能の導入をさらに拡充する計画を明らかにした。

 クリーブランド・クリニックは、メイヨー・クリニックやボストン・ジェネラル病院とならぶ米国最高峰かつ世界最高峰の総合病院兼医療研究機関に位置づけられる。

 ミハイエヴィッチ氏は2018年初めにCEOに就任した。

 ヘルステック・マガジンによると、遠隔医療はクリーブランド・クリニックで利用件数がもっとも急速に伸びている臨床選択肢であり、同病院では遠隔医療を今後も優先事項として取り組み強化する方針だ。

 専用アプリケーション経由で医療従事者による診断や医薬品処方を提供する同病院の遠隔医療サービス「エクスプレス・ケア・オンライン(Express Care Online)」の患者数は、2017年に2万5000人を超えた。

 クリーブランド・クリニックは、病院経営と医療サービスを大幅に進化させる技術として、IBMと提携しIBMワトソン(Watson)を採用している。同提携では、ビッグ・データ解析と認知電算によって「ヘルスケアに関する知識蓄積の急拡大」を強化し、最終的に臨床意思決定の向上に役立てる方法を模索する。

 同病院はこれまで、IBMのクラウド技術やソーシャル、モバイル、そしてワトソン認知電算技術を臨床および事務処理の両面で活用してきた。

 IBMワトソン事業部は同提携を受けて、4万3000平方フィートのデータ解析拠点をクリーブランド・クリニック近くに建設中だ。同施設では、がん研究やゲノミクス、予測解析、精密医療のためのビッグ・データ活用を推進する。

 ミハイエヴィッチCEOは人工知能の導入について、介護職をコンピュータやソフトウェアに置き換えるのではなく、単純な事務作業から医療従事者を解放し、前例のないほど多くの専門知識へのアクセスを提供するものだと強調。

 「人間味ある医療サービスを実現し、提供者としてのわれわれの役割りを向上させるためにデジタル技術をさらに活用したい」と同氏は語った。

https://healthtechmagazine.net/article/2018/04/cleveland-clinic-targets-telemedicine-big-data-and-ai-improve-future-care