Thursday, April 26, 2018 11:34 AM
専門ソフトウェアで給電体制を分析&近代化
ハワイのオアフ島とプエルトリコの電力会社らは、分散型エネルギー源を配電網に統合していくために専門のソフトウェア会社との協業を始めた。
リニューワブル・エネルギー・ワールド誌によると、ハワイアン・エレクトリックは、トロント拠点のオーパス・ワン・ソリューションズ(Opus One Solutions)と協業する計画を発表し、オアフ島の顧客の自家発電を管理できるようにする。
オーパス・ワンは、独自のソフトウェア「グリッドOSダイナミック・ホスティング・キャパシティー」を導入して、分散型エネルギー源からの電力をどれだけ受け入れられるかを分配線ごとにほぼリアルタイムで分析し、電力資産を最適化できるようにする。
「分散型エネルギー源がもたらす価値を最大限に活用できるようになるため、大がかりの設備刷新の必要性を抑えることができる」と、オーパス・ワンのジョシュア・ウォンCEOは話す。
オアフ島では、一戸建て住宅の約3分の1がソーラー・パネルを屋根上に設置している。
一方、プエルトリコ電力公社(Puerto Rico Electric Power Authority=PREPA)は、ニューヨーク州スマート・グリッド・コンソーシアム(NYSSGC)およびプロシューマーグリッド(ProsumerGrid)と長期的送電網計画に関する覚書を交わした。
プエルトリコは、2017年9月のハリケーンの被害後、島内の電力がまだ完全には回復していない。PREPAでは、送電網を近代化し、災害に強い給電体制を構築するために長期的努力の一環として、分散型エネルギー源の統合拡大を検討している。ソフトウェアを使って大規模の模擬化を実行できるようにすることが同提携の目的のひとつだ。
「プエルトリコの電力システムを再設計し近代化するには、これまでの基幹設備を再建して再生可能エネルギー源を無作為に追加する以上の努力が必要だ」「災害対策や、経済面および環境面の目標を戦略的に達成するには、対応すべき複雑な構造的問題がいくつもある」と、NYSSGCのジム・ギャラガー代表は話す。
アトランタの新興企業プロシューマーグリッドは、独自の模擬化ソフトウェアを使って、プエルトリコの送電網および配電網を統合的に検証する。プロシューマーグリッドは、マイクログリッドの集約業者や個人住宅の発電施設も広範に取り込んだ模擬化を実施する。