Friday, April 27, 2018 9:42 AM

機械学習による予測分析が保険業界を強化

 人工知能技術の向上を背景に、保険会社によるリスク予測能力も格段に進歩している。

 ラーコンテュール誌によると、機械学習技術の急速な進歩に加え、接続機器による幅広いデータ活用が可能になったことで、機械学習アルゴリズムによる予測分析はいまや、保険業界全体で遍在的に導入されつつある。その結果、保険料(保険かけ金)とデータ解析を連動させる新たな保険モデルも出現し始めている。

 たとえば、自動車保険の分野では遠隔測定法とモバイル・アプリケーションによって、予測解析に必要なデータを保険会社が収集できるようになった。保険会社はそれを活用して、保険加入者の運転を監視し、安全運転をする人に保険料引き下げといった特典を提供している。

 また、ヴァイタリティー(Vitality)を含む健康保険会社は、健康のために日々の運動目標の達成に取り組む加入者にアップル・ウォッチ(Apple Watch)を無料提供している。ヴァイタリティーは、アップル・ウォッチで記録される運動量データを解析し、罹患リスクを分析している。

 保険仲介業者JLTスペシャルティー(JLT Specialty)の幹部は、「人工知能とそのほかの技術向上、それらの統合によって、今後はコスト削減、予測解析の質向上、より迅速な洞察の取得とリスク予測が可能になる」と話す。

 意思決定の最適化と迅速化にデータを活用する「データけん引型保険会社」が出現するなか、予測解析は今後さらに進化して普及することが確実だ。予測解析によって保険会社の損失は減り、新商品に対する顧客の反応も改善する結果、保険会社の業績向上が期待される。

https://www.raconteur.net/business/predictive-analytics-power-cyber-insurance-industry