Tuesday, May 01, 2018 10:25 AM
最大規模の自走ロボット配達サービスを商業化
ロンドン拠点の自走ロボット配達サービス新興企業スターシップ・テクノロジーズ(Starship Technologies)は4月30日、広大な敷地に社屋を構える会社や大学向けの配達サービスを欧州と米国で立ち上げた。
スカイプの共同創設者らによって2014年にエストニアで起業された同社は、多くの自動配達試験を過去2〜3年に実施してきた。配達物はおもに食品や小物で、欧米の100都市以上で試験運用された。巨大な炊飯器に車輪がついたような外観の同ロボットは、完全自律走行機能をそなえるが、人間によって遠隔操作も可能。
ベンチャービート誌によると、商業化が決まったばかりの同サービスでは、2018年末までに段階的に配備される1000台のロボットが複数の大学敷地内を自律走行して食品や小物、そのほかの届けものを配達する計画。商業化された自律走行配達サービスとしては最大規模になるとみられる。どの大学が導入するかは明らかにされていない。
同社は、食品配達サービス大手コンパス・グループが会計ソフトウェア大手インテュイット(Intuit)のシリコン・バレー・キャンパスで実施してきた試験運用の本格的拡大版として大学向けに商業化する。
インテュイットでの試験運用では、利用者たちがスターシップのスマートフォン・アプリケーションを使って出前を注文し、食事が会社敷地入り口まで配達されると、スターシップのロボット台車が注文者に代わって食事を取りに行き戻ってくる。会社敷地が4.3エイカー(約1万7400平方メートル)あるため、働く部屋から建物外に出て取りに行くには遠すぎる広さだ。
そういったラスト・マイル(最後の1マイル=配達経路を大木にたとえると、木の幹から伸びる枝からさらに伸びる末端の枝葉が目的地だとした場合、枝から枝葉までの部分がラスト・マイルに相当する)配達をロボットに任せることで効率化と人件費削減を図るサービス市場には昨今、いくつかの新興企業が進出している。マーブル(Marble)やヌロ(Nuro)はその代表格だ。