Thursday, May 03, 2018 11:18 AM
ミズーリ州保健省、ビッグ・データで医療費削減
ミズーリ州政府の保健担当高官らは、患者の健康向上行動を追跡して再入院を回避するためのビッグ・データ解析への投資を強化しており、その効果をすでにあげている。
フィアース・ヘルスケア誌によると、ミズーリ州は、2012〜2015年に患者の入院率をビッグ・データ解析によって34%から25%に引き下げ、救急病棟への来院率を45%から31%に減少させ、その結果、期間中の医療コストを9800万ドル削減した。
同州保健省のナタリー・フォーネリ=クック統合医療局長によると、保健省はビッグ・データ解析と公衆健康ツール群を活用し、健康向上行動追跡サービス業者らと協力して、健康状態が非常に不安定な患者層を特定し、それらの患者に特化した行動様式追跡システムによって患者の健康管理力向上を支援した。
同州保健省と健康向上行動追跡サービス業者らは、2008年以降の低所得者向け医療保険(メディケイド)申請データを集約して構造化し、それをもとに内臓脂肪型肥満(メタボリック・シンドローム)調査を日常的に実施した。入院を繰り返す患者には、メディケイド利用者と肥満が非常に多いという調査結果が出ている。
保健省はそこで、精神疾患の患者3700人を対象に疾病予防管理策を2010年に立ち上げ、行動様式を追跡して罹患および病気再発の関連性を分析し、さらに2014年には薬物依存患者も同対策に加えた。
2012年に健康向上行動医療ホーム(Behavioral Healthcare Home)という政策に格上げされた同対策のもと、保健省は事前合意によって計1万8000人の患者を対象に、健康向上行動を追跡するために入院と救急病棟利用に関するデータを集めて解析した。
保健省はそれをもとに、罹患や再入院、救急病棟利用と患者の行動様式の相関関係を導き出し、個々の患者に関する健康向上策を助言するとともに、助言内容の実行を確認することで、入院件数と救急病棟利用件数の大幅削減を実現した。