Monday, May 21, 2018 10:16 AM

トロントにスマート都市ソリューション開発拠点

 マイクロソフト(Microsoft)やアルファベット(Alphabet)傘下サイドウォーク・ラブズ(Sidewalk Labs)を含む複数の技術大手らは、カナダの最大都市トロントで進められる「スマート都市サンドボックス(Smart City Sandbox)」事業に参加した。それによってサンドボックスが本格的に始動する。

 同事業を主導するのは、建築&土木会社のIBIグループ。サンドボックスは、トロントをスマート都市化するための研究&開発拠点と位置づけられる。米技術大手らの参加によって、開発拠点が開設される運びとなった。

 マイクロソフトは、同事業に参加する新興企業らに先進技術を提供し、サイドウォークは、未来志向の都市機能スマート化技術を各所に実装された地区を開発する。

 CBCによると、「サンドボックスは、さまざまの組織が力を合わせて都市環境の課題に対応するためのプラットフォームになる」と、IBIグループのスコット・スチュワートCEOは話す。

 トロントでは、交通量を検知して間隔を調整する交差点信号機や、道路交通問題を市民が報告できるようにするモバイル・アプリケーション、夜間の給電をサポートする大型蓄電設備の導入を検討している。

 サンドボックスは今後も、中小企業や起業家、新興企業らの参加を模索していく。IBIグループは、申し込みと選考の手続きを9月から開始する計画だ。選ばれた会社らは、トロントにあるIBIグループ本社に活動場所を与えられ、3ヵ月から6ヵ月にわたって大企業からの支援や助言を受けることができる。

 スチュワート氏は、マイクロソフトのクラウド・サービス「アジュール(Azure)」や人工知能の機能を自由に使えることが、参加する新興企業にとってもっとも魅力的な要素になる、と説明している。また、ベンチャー・キャピタリストらに向けた事業案発表会も6週間に1回開かれる。

 IBIグループは、同事業の予算として50万ドルを確保している。新興企業育成サービスの運営費用は年間300万ドル前後になると見積もられる。

 トロントでは、いくつかの組織によるスマート都市関連事業の発表が相次いでいる。トロント大学は最近に都市学部を創設した。同学部では、世界各地の都市が直面する課題に対応するための学際的研究に注力する。

http://www.cbc.ca/news/canada/toronto/toronto-at-the-centre-of-smart-city-r-d-with-launch-of-new-technology-hub-1.4666040