Tuesday, May 22, 2018 11:27 AM

人を見て動作を学ぶロボット訓練の方法を開発

 米画像処理半導体最大手エヌビディア(Nvidia)は、人間の動きを最初に観察してから任務を遂行するようロボットを訓練できる手法を開発した。

 同社はこのほど、その最初の応用例として、色つきの複数の箱とおもちゃの車1台を持ち上げて移動させるという整理作業を人間の動きからまず学び、それを模倣して再現した。

 実験室での実演に使われたのは、ボストン拠点の新興企業リシンク・ロボティクス(Rethink Robotics)が開発した産業用人型協働ロボットとしてもっとも知られるバクスター(Baxter)。

 ベンチャービート誌によると、エヌビディアが開発したロボット訓練手法は、職場や住宅で人間と協働するロボットの機能訓練や機能開発に応用できると期待される。

 現在の方法では、ロボットの動作機能はソフトウェアによる事前のプログラムを必要とする。エヌビディアの新手法が実用化されれば、膨大な行数のソフトウェア・コードを書くことによる動作機能設計が不要となる。

 そのためには、ロボットに搭載される人工知能を訓練する必要がある。その訓練には膨大な量のデータセットが必要となる。

 エヌビディアが同技術を開発できた背景には、同社が画像処理チップ技術の最大手という要因がある。人間の動作をロボットに学ばせるには、機械視認能力をロボットに搭載する必要があるためだ。機械視認はきわめて難しい技術で、機械が見たものを認識できるようになるには、かなりの事前学習が必要となる。

 エヌビディアでは、シアトルのワシントン大学を含むロボティクス研究界と社内研究班の連携をさらに強化して、合成データセット群を用いて人工知能の訓練を継続し、試作品の作業模倣再現力を増強する方針だ。

https://venturebeat.com/2018/05/20/nvidia-is-training-robots-to-learn-from-watching-humans/