Friday, June 15, 2018 10:41 AM
老化防止薬の発見に人工知能を活用
先進国で深刻化する高齢化問題を解決しようと、多くの企業が技術革新に注力するなか、メリーランド州ボルチモア拠点の新興企業インシリコ・メディスン(Insilico Medicine)は、老化を遅らせる薬の発見に人工知能技術を活用している。
従来の新薬開発では、効果がみられる分子を自然由来の物質から特定し、実験を重ねて合成する方法が一般的だ。
テッククランチ誌によると、インシリコが開発中の新手法はそれに対し、老化を鈍らせる原因を最初につきとめてから、人工知能技術を活用することで、その原因に作用する理想の分子を発見しようというもの。
同社の人工知能技術は、敵対性生成ネットワーク(generative adversarial networks=GANs)と呼ばれる手法を土台とする。GANsは機械学習技法の一つで、生成ネットワーク(generator)と識別ネットワーク(discriminator)の二つの神経回路網アルゴリズムで構成される。生成ネットワークが事象を出力すると、識別ネットワークがその成否を判断するしくみ。それによって事象の確実性を高めるという方法だ。
GANsは、米国のコンピュータ科学者であるイアン・グッドフェロー博士らによって2014年に開発された。
インシリコは、これまでに総額1400万ドルのベンチャー・キャピタル投資を集めている。先日には、中国のウーシー・アップテック(WuXi AppTec)やシンガポール政府の投資機関から投資を獲得したばかり。
ウーシー・アップテックは開発プラットフォームを提供している。ウーシーは、インシリコの技術を試験的に導入することでインシリコとすでに合意している。
【https://techcrunch.com/2018/06/11/insilico-medicine-longevity/】