Tuesday, July 24, 2018 11:09 AM
虫型ロボットでジェット・エンジン内部を点検
ロールスロイス(Rolls-Royce)は、ジェット・エンジンや車のエンジンの内部に進入して点検および修理する小さなロボティック虫を実用化する計画を進めている。
エンジンの点検や修理は、非常に時間がかかる面倒な仕事で、したがってコストもかかる。同社はそこで、手や工具の届きにくい部分に簡単に到達する昆虫型とヘビ型の小さなロボティクスを活用する。
メンズXP誌によると、ロールスロイスが開発中のスワーム(SWARM)というロボットは、小さなカブトムシのような身体に4本の足を持ち、ジェット・エンジンの内部に入り込んで点検して修理する。スワームは、同社が進めるインテリジェント・エンジンという構想の一環で、同社はその構想のもと、ノッティンガム大学とハーバード大学と技術提携している。
スワームは、フレア(FLARE)という二つのヘビ型ロボットによってエンジン内部に設置される。曲がりくねった部分を柔軟に進む機能がフレアの特徴だ。スワームだけではエンジン内部に到達しにくいため、フレアがスワームを奥まで運ぶ。
スワームは、高さ約15mm、重さ約3〜4オンス、極小のカメラと立体スキャナー、そのほか点検に必要な道具を装備し、燃焼室のあちこちに移動して内部を点検する。
「従来方法であれば5時間かかる作業を数分でできるようになる」と同社の技術者ジェイムズ・セル氏は話す。
ジェット・エンジンの点検は、翼からエンジンを取り外して分解しなければならず、最短でも数日かかり、その間、当該機体は当然ながら飛べない。その結果、航空会社にとっては事業資産の稼働低下による売り上げ喪失とコスト発生を強いられる。それを数時間に短縮することがインテリジェント・エンジンの狙いだ。
スワームがすべての故障や損傷を修理できるとはかぎらないが、エンジンを翼から外して分解することなくエンジン内部の問題を発見または特定できるだけでも、非常に大きなコストや時間の節減になる。