Tuesday, August 23, 2016 11:20 AM
リフト、技術大手らへの身売りに失敗していた〜資金潤沢も将来性に不安か
米自動車製造大手GMからの買収案提示を拒否したと最近伝えられた米モバイル配車サービス大手のリフト(Lyft)は、アップル(Apple)やアマゾン(Amazon)、グーグル(Google)、中国のディーディー・チャクシン(Didi Chuxing)、さらには競合社であるウーバー(Uber)への身売りに失敗していたことが先日判明した。
フォーチュン誌によると、リフトは、過去7ヵ月ほどのあいだに、それらの企業への身売り案を打診し、一部では協議まで進んだが、買収案を引き出すことはできなかったもよう。
リフトの身売り打診は、同社が経営難に陥っていることを示すものではない。それどころか、リフトにはディーディーとGMからの大型出資によって潤沢な手持ち資金がある。リフトには現在、14億ドルという巨額の現金保有高があり、経営黒字化への事業拡大や提携、市場開拓に必要な資金力の懸念はない。
ただ、同業者のサイドカー(Sidecar)が2015年末に事業閉鎖に追い込まれたことや、ウーバーが中国事業をディーディーに売却することを余儀なくされたこと、世界各都市での規制や米国内での訴訟、特殊な課税、さらには、巨額の市場開拓費用といったいくつかの懸念要因が重なることから、事業価値や企業評価額が高いうちに好条件での身売りを画策したという見方もある。リフトは収入の60.5%を市場開拓に投じている。