Thursday, August 09, 2018 9:39 AM
シャープ、ILMツールに蓄電装置を納品
台湾鴻海精密傘下シャープの米国子会社シャープ・エレクトロニクス・コーポレーション(Sharp Electronics Corporation)のエネルギー・システムズ・アンド・サービシズ・グループ(Energy Systems and Services Group=ESSG)は、高等技術製造業向けサービスおよびソリューション提供会社ILMツール(ILM Tool、サンフランシスコ拠点)の事業所に、ビハインド・ザ・メーター型の蓄電ソリューション「スマートストレージ(SmartStorage)」を設置した。
リニューワブル・エネルギー・マガジンによると、設置されたスマートストレージは30キロワット、40キロワット時の容量で、約113キロワットの太陽光発電システムと統合されている。
ILMツールは、床面積約2万5000平方フィートの事業所をサンフランシスコ湾岸地域に持っている。スマートストレージの設置作業を請け負ったのは、地元のシナジー・パワー(Synergy Power)。
ILMツールの事業所では製造業向け重機を多数使っており、その使用状況によってエネルギー消費量が著しく変動する。現地の公益会社パシフィック・ガス&エレクトリック(PG&E)は、需要電力料金が高いことで知られることから、光熱費管理に蓄電装置が役立つ、とシャープESSGのカール・マンスフィールド責任者は説明している。
「光熱費は利益構造に大きな影響を与える要因」「われわれのニーズに応える理想的な太陽光発電と蓄電のソリューションを探していた」「シャープの製品を太陽光と併用するのが最善だと判断した」とILMツールのジョー・イルムバーガーCEOは話す。
スマートストレージは、予測分析技術を活用して充電と放電のサイクルを制御する。ILMツールの事業所では重機が稼動し始めると電力需要が突発的に高まるため、蓄電装置がすばやく放電してそれに対応する。スマートストレージの活用で年間240キロワット前後の需要削減を見込める。
同システムには、シャープがオプションで提供している10年間のサービス契約も含まれる。定期および不定期の点検のほか、10年間の需要削減保証が含まれており、一定量の需要削減が達成できなかった場合にシャープが差額を負担する。