Friday, August 17, 2018 10:06 AM
土砂崩れを2週間前に予想するソフトウェア
メルボルン大学の研究班は、応用数学とビッグ・データ解析を活用して、土砂崩れの発生を2週間前に予想するソフトウェア・ツールを開発した。
サイエンスデイリー誌によると、研究班はまず、土砂崩れの前兆を理解することから取り組み、たとえば特定の範囲で同時に発生する斜面の「動きパターン」や、時間の経過とともに変わる状況に焦点をあわせて研究した。
研究班によると、斜面地盤の動きは無秩序に起こるが、時間とともに規則的になる。同時に、付近のほかの場所でも地盤の動きが発生し、やがて土砂崩れや歩道のひび割れが起きる。
研究班は、そういった地盤変動データを「解読」し、それを「ネットワーク化」することによって、「隠れた動きパターン」と、それが場所や時間的にどのように変化するかを導き出すモデルを開発した。
研究班は開発にあたって、通信網(接続網)のなかから「規則正しい動き」を微動段階で早期検出することを重視した。
研究班の一人であるメルボルン大学化学&生体分子学部のロビン・バターハム教授は、開発したソフトウェアについて、アルゴリズムとビッグ・データを、リスク査定と管理行動に変えるものと説明。「30年前には数学分野で想像もできなかったことが可能になった」と同氏は話した。
研究班は、同ソフトウェアの用途として土砂崩れ発生予想のほかに、発展途上国におけるごみ埋め立て地の崩壊や、建物の亀裂や基礎の移動、ダム決壊の発生時期の予想を挙げた。
【https://www.sciencedaily.com/releases/2018/08/180815102909.htm】