Friday, August 24, 2018 10:42 AM
MRIスキャンを人工知能で大幅に迅速化
ニューヨーク大学(NYU)とフェイスブック(Facebook)は、医療向け磁気共鳴画像(MRI=magnetic resonance imaging)の性能を損なうことなくスキャンにかかる時間を劇的に短縮した。
MRIを使う診断は、エックス線やCT(computed tomography)スキャンに比べて高精度だが、1時間近くかかる場合もある。また、閉所恐怖症の患者にとっては、かなりの精神的負担となる。
テッククランチ誌によると、NYUとフェイスブックが「ファストMRI(FastMRI)」という開発事業のもとに共同開発した試作品は、人工知能技術によって断層面画像を予想して補足する。研究班は、最終的には90%の時間短縮を実現させたい考えだ。
MRIは、二次元的に撮影された断層面画像を重ねることによって立体画像を作成する。断面層画像の数は病気によって開きがある。脳腫瘍診断の場合、ほかの病気に比べてはるかに多くの画像が必要となる。
ファストMRIは、断層面の画像数を減らし、残りの部分を機械学習によって予想して補足する。それによって、MRIスキャンにかかる時間を大幅に短縮するしくみ。補足される画像データは全体像であり、異常が見逃されることはない。
研究者らによると、200の異なる態勢でのMRIスキャンを約半分に減らすことができる。ただ、そのためには大量のデータが必要になる。ファストMRIの精度を有効水準にまで引き上げるには、500スキャンから1万スキャンのデータが必要だ。
ファストMRIは、NYUの研究者らによって2015年に発足された。その後、フェイスブックの人工知能研究班「フェア(FAIR)」が加わり、今回の実験成功にいたった。
同研究はまだ初期段階にある。倫理的懸念やデータの蓄積といった課題が残されている。
【https://techcrunch.com/2018/08/20/nyu-and-facebook-team-up-to-supercharge-mri-scans-with-ai/】