Monday, November 05, 2018 9:01 AM
アマゾン、毎年恒例の歳末季節労働者雇用を縮小
アマゾン(Amazon)は通常、毎年この時期になると大量の季節労働者(臨時労働者)を雇う。年間でもっとも忙しい歳末商戦期(11月第4週の感謝祭直後からクリスマス直前までの約1ヵ月間)の買い物激増にそなえるためだ。
それらのほとんどは、同社が世界中で運営する倉庫(配送センター)の作業員で占められる。
ことしの場合、その数は約10万人だ。10万という数字は、一社が臨時で雇う人数としては異常に多いと思われるが、2016年と2017年の12万人から17%弱の減少だ。
クオーツ誌によると、臨時労働者の採用減はアマゾンの販売低迷予想によるものではなく、世界各地の倉庫での業務自動化が成功していることを示す証拠だ、とシティーの分析専門家マーク・メイ氏は指摘する。
同氏によると、アマゾンが歳末商戦向け倉庫要員の雇用数を前年から減らすのはことしが初めて。同社の業績は非常に好調で、オンライン販売の取り扱い数も大幅に増えている。にもかかわらず、これまでの数ほどの作業員を必要としなくなった。
その背景には、アマゾンが2012年に7.75億ドルで買収したキヴァ・システムズ(Kiva Systems)の自律移動ロボットの存在がある。アマゾンは、キヴァが開発したロボットを2014年から倉庫兼配送センター群で使い始めた。
キヴァのロボットは、丸みを帯びたスーツケースのような形状の自走台車で、数多くの商品が収納された大きな棚の下にもぐりこんで棚ごとわずかに持ち上げて指定場所に自律運搬する。キヴァ・ロボットは、複数の作業員で1時間かかる仕事を15分で処理できるという。
ドイツ銀行は2016年に、キヴァ・ロボット群によってアマゾンが世界中の倉庫で総額25億ドル近くのコストを削減できるだろう、と見積もった。ドイツ銀行はその後、キヴァ・ロボット導入費用を差し引けば、倉庫業務コストの純削減分は8億8000万ドルと試算している。
アマゾンのアシュリー・ロビンソン広報担当によると、同社は、世界に26あるオンライン注文処理センター(倉庫兼配送センター)で計10万台以上のキヴァ・ロボットを導入している。
アマゾンが米国内全社員の最低時給を15ドルに引き上げたことは、キヴァ・ロボットによる倉庫業務効率化と人件費削減のおかげといわれる。
【https://qz.com/1449634/amazons-reduced-holiday-hiring-is-a-bad-sign-for-human-workers/】