Tuesday, December 18, 2018 9:01 AM

社内でキャリア開発を支援するソフトウェア

 ニューヨーク市拠点の新興企業グロート(Gloat)は、企業の人材開発努力を支援するインナーモビリティー(InnerMobility)というソフトウェアを市場投入した。

 HRテクノロジスト誌によると、同ソフトウェアは、人工知能技術を活用し、従業員の職能や過去の経験、将来の目標といった情報にもとづいて社内の職種や事業、指導者を従業員に紹介したり、目指すべき新しい職種または職業を提案したりする。

 従業員は、表示されたキャリア開発機会を選択するだけで、それがどのように専門領域を広げたり、将来の昇進に結びついたりするかをモバイル・アプリケーションで見ることができる。

 同社は、過去何年にもわたって深層学習を使ってキャリア・パターンを分析した。その結果が、人材開発と定着率向上を支援するソリューションに結びついた、とグロートのベン・ルーヴェニCEOは説明する。従業員が自分のキャリアの目標を達成するだけでなく、欠員を抱えた管理職者が社内の適材を見つけるのにも役立つという。

 単発の事業ごとに、必要な職能を持った人材を集めて班を結成する柔軟な仕事のあり方は「単発経済(gig-economy)」と呼ばれる労働市場を生み出している。その波は、大企業の管理構造にもおよんでいる。

 「インナーモビリティーは、ギグ・エコノミーと従業員の能力開発、それに社内人材活用の体制を融合させて未来の労働力を創造する」と、ルーヴェニ氏は話す。

 さまざまの職能を活かして多種多様の事業にかかわりたいと考える従業員が増えていることから、それをかなえる人材活用体制を整えることで従業員満足度が高まり、人材維持にもつながるという側面もある。

 従業員が辞める大きな理由の一つは、いまの会社ではキャリアを発展させられないと感じることだ。いくつかの調査によると、人材採用のコストは、その職種の従業員に払う年間給与の84%と見積もられる。また、一人の離職が周囲の社員の士気を下げることも、隠れたコストとなり得る。

https://www.hrtechnologist.com/news/recruitment-onboarding/gloat-launches-innermobility-a-talent-management-platform-and-app/