Friday, January 25, 2019 9:10 AM

カリストら、被害通報ツールで常習者摘発をねらう

 女性はこれまで、職場において一人の性的攻撃者が複数の女性を標的にすることから、口頭で情報を内々に交換して注意してきたが、昨今では、そういった「ささやき網(whisper networks)」がオンラインに移行している。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、カリスト(Callisto)をはじめ、サイレント・クワイヤー・プロジェクト(Silent Choir Project)やジェイドウ(JDoe)といった被害者保護または女性保護の非営利団体らは、同一人物による性的嫌がらせの被害者たちを連携させることで、法的選択肢やそのほかの対処法を一緒に模索するモバイル・アプリケーションを提供している。

 サンフランシスコ拠点のカリストの場合、大学キャンパスでの性的暴行に焦点をあわせたアプリケーションを全米の大学らと協力して2015年から女学生らに配布し、カリスト・キャンパスというウェブサイトを介して被害通報手続きを簡便化した。同社はその後、職場向けの類似機能も構築した。

 同社が女性起業家らを対象に実施した調査では、回答者88人のうち19人が性的嫌がらせを投資家たちから受けていたことがわかった。

 同社はさらに、カリスト・エクスパンションというオンライン通報機能を追加し、1600人の起業家を招待して試験版の運用を2018年11月に開始した。同社は、技術業界やシリコン・バレー地域社会において、性的嫌がらせの常習者を摘発することをねらっている。

 二人の被害者の報告内容が同一人物による犯行であることを示した場合、カリストの専門法律家らが無料または格安料金で被害内容を精査して法的手続きや加害者勤務先の人材資源(HR)部または警察への被害届けといった選択肢を検討する。

 カリストは、2017年以降に総額207万ドルのベンチャー・キャピタルや寄付金、助成金を調達している。

https://www.wsj.com/articles/an-online-tool-to-catch-workplace-sexual-predators-11547135166