Tuesday, January 29, 2019 9:38 AM
ホテル業界、ビッグ・データ解析に着手
ビッグ・データ管理プラットフォームおよびソリューション開発大手の新興企業ホートンワークス(Hortonworks)のカマール・ブラー副社長は、価格変動が激しいホテル客室の価格決定最適化について、ビッグ・データ解析が有効であり、ホテル業界の一部ではその活用に乗り出している、とビジネス・タイムズに寄稿した。
シンガポールのザ・ニュー・ペイパー誌によると、米ホテル・チェーン大手ヒルトン(Hilton)はデータ活用強化策の一環として、予約データや利用客情報、ホテル内設備利用状況といったあらゆるデータを集めて人工知能で解析し、洞察や知見を導き出して需要動向や利用客の嗜好を予想または特定することで、顧客満足度の向上と常連客の獲得に注力している、とブラー氏は話す。
ホテルにとって、客室稼働率を最大限に引き上げて1部屋あたりの売り上げと客単価を増やすことがもっとも重視される。そのためには、頻繁利用客と非頻繁利用客の属性情報やホテル利用様式、ホテル内施設利用、客室内飲料消費行動といった各種のデータの解析結果をサービス改善に反映させる必要がある。
ホテル業界によるある調査では、宿泊客にボトル水1本を無料提供すると、客単価が30〜40ドル上がるという結果が出ている。また、仮に30〜40ドルを余計に支出しない宿泊客だとしても、繰り返し客(常連)になるという傾向も判明している。
シンガポール観光評議会(Singapore Tourism Board=STB)では、ホテル業界のデジタル変革が成長のために不可欠と位置づけて、技術応用促進に2017年から取り組んでいる。
STBとホテル革新委員会(Hotel Innovation Committee=HIC)はその一環として、「スマート・ホテルズ(Smart Hotels)」構想を打ち出し、チェックインと支払いでの顔認証システム導入を推進する方針だ。STBとHICは、客が並ぶ時間をそれによって短縮し、宿泊体験と満足度の向上を図る。
【https://www.tnp.sg/news/views/hotels-using-big-data-check-out-guests】