Tuesday, February 05, 2019 9:08 AM

日本郵船とBHPビリトン、バイオ燃料で試験航行

 日本郵船が運航するばら積み船「フロンティア・スカイ(FRONTIER SKY)」はこのほど、世界最大の鉱山会社BHPビリトン(BHP Billiton、オーストラリアのメルボルン拠点)との契約にもとづき、バイオ燃料を使った試験航行を実施し、また、それによる炭素排出追跡にブロックチェーンを活用して商業船舶用燃料の供給網効率化に期待できる可能性を示した。

 日本郵船の発表資料によると、バイオ燃料はグッドフュエルズ(GoodFuels)が製造し、ロッテルダム港で補油したうえで、欧州域内で試験航行が実行された。今回の補油では、ブロックチェーン技術が試験的に採用され、その結果、舶用燃料の遡及追跡の強化や、燃料流通における供給網全体の品質管理向上も期待できる、と日本郵船は説明している。

 リニューワブル・エネルギー・マガジンによると、海運業界向けのブロックチェーン技術を開発するブロック(BLOC=Blockchain Labs for Open Collaboration)が、今回の試験航行におけるバイオ燃料による二酸化炭素排出削減量を確認した。

 グッドフュエルズが供給したバイオ燃料は、船舶用ガス・オイル(MGO)に相当し、化学由来のMGOと30対70の割り合いで混合された。その補油によって二酸化炭素排出量が50トン以上削減された。

 日本郵船は、トン・キロメートルあたりの温室効果ガス排出量を2015年比で2030年までに30%、2050年までに50%削減するという目標を打ち出している。日本郵船と、同社と長期輸送契約を結んでいるBHPビリトンにとって、バイオ燃料の使用は重要な環境配慮商業活動となる。

 バイオ燃料は、燃焼時に二酸化炭素を排出するものの、原料作物の成長過程において二酸化炭素を吸収しているため、その排出量はゼロと計算され、石油燃料の代替物として注目されている。また、硫黄酸化物の排出が少なく、2020年から強化される船舶燃料油の硫黄分濃度規制にも対応できる。

 燃料の持続可能性を管理するうえでは遡及追跡が重要な役割りを果たす。同ソリューションは、ブロックが率いる企業連合から提供された。同企業連合は今後、船舶燃料油の出所を確実に管理するためのシステムを開発する計画だ。

https://www.renewableenergymagazine.com/biofuels/bhp-and-nyk-use-goodfuels-biofuel-to-20190204
https://www.nyk.com/news/2019/1192553_1686.html