Tuesday, February 26, 2019 9:06 AM
エクソン、マイクロソフト・アジュールを採用
エクソンモービル(ExxonMobil)は、石油開発現場でのデータ分析業務にマイクロソフト(Microsoft)のクラウド技術を採用した。
CNNによると、エクソンは、テキサス州西部とニューメキシコ州東南部にまたがるパーミアン盆地のシェール油田において、マイクロソフトのクラウド電算プラットフォーム「アジュール(Azure)」のほか、機械学習やモノのインターネット(IoT=Internet of Things)を活用して、油田のデータをリアルタイムで収集し、採掘や人員配置の意思決定に役立てるほか、ガス漏洩や温室効果ガスの排出状況も監視する。
両社の契約金額は明らかにされていないが、エクソンはマイクロソフトとの契約について、業界最大級のクラウド技術導入事例と説明した。
「シェール事業は動きが速く、複雑で、大量のデータがともなう。そのため、デジタル技術を活用して業務体制を強化し価値を創造するのに最適だ」と、パーミアン盆地の事業を担当するエクソンの幹部スタール・ジャーヴィク氏は声明で述べた。
エクソンは、アジュールを活用することで向こう10年間に「数十億ドル規模の価値」を生み出すと説明している。また、現場のデータを管理するモバイル・アプリケーションや人工知能アルゴリズムをはじめ、第三者開発のソリューション群も併用できる。
エクソンは、本社のあるテキサス州とその周辺で起こったシェール・ブームにやや出遅れた。同社は、ここ数年間にシェール関連資産を積極的に買収し、それらが生産実績に表れつつある。エクソンの米国内石油生産は2018年第4四半期に11%増となり、特にパーミアン盆地では90%増と大幅成長を記録した。
エクソンとの契約はマイクロソフトにとっても大きい。マイクロソフトはクラウド事業でアマゾンを激しく追っている。エクソンとの大型契約を獲得したことで、アマゾンを追い上げる勢いを増強できると同時に、後続のグーグル・クラウドを引き離せる。
エクソンの競合社であるシェブロンも、採油現場のデジタル化に役立てるためにマイクロソフト・アジュールの導入計画を2017年10月に発表している。
【https://www.cnn.com/2019/02/24/business/exxon-microsoft-cloud-azure-oil/】