Thursday, April 04, 2019 10:01 AM

新興企業のブレイン、自動配達市場に進出へ

 産業施設向け床清掃ロボット開発の新興企業ブレイン(Brain、サンディエゴ拠点)は2日、ロボティック配達分野に進出する計画を明らかにした。

 フォーブス誌によると、ブレインはその最初の一歩として、自社ソフトウェアのブレインOSによって稼働する概念実証済みの配達ロボットを披露した。ブレインOSは、工場や倉庫、店舗でカートを積み上げる作業を可能にしたソフトウェア。同社は、配達ロボットを2020年初頭に発売する計画。

 同社の創設者でCEOのユージーン・アイズクヴィッチ氏は、ブレインOSを床清掃ロボット以外の業務用ロボットに応用して商品化するには、ベンチャー・キャピタル(VC)による資金援助が必要、と述べ、さらなる投資獲得に注力する考えを示した。同社の累計調達額は現時点で1億2500万ドル。同社にとって最大の投資会社はソフトバンク。

 ブレインは、ウォルマートがブレインの床清掃ロボット360台を使うことに合意したことで2018年に知名度を上げた。

 商業施設向け清掃ロボットの世界市場は年間約50億ドルと、決して小さくない。そのため、同市場の開拓に乗り出し、すでに台頭しつつある新興企業もいくつかある。たとえば、カナダの若い移民起業家らがトロント近郊で立ち上げたアヴィッドボッツは、床清掃ロボットを試作して売り込んだところ、カナダの複数の空港やショッピン・センターらが導入をすぐに決めて、短期間に300〜400台を売った。清掃ロボット需要の旺盛さを示す事例だ。

 ブレインはロボットを生産せずに、オペレーティング・システム(OS)のブレインOSの商業化を事業とする。ブレインOSは、人工知能と機械視認を使うことで手動式清掃機械を自動化させるのが大きな特徴だ。

 同社は、ニルフィスク(Nilfisk)やテナント(Tennant)といった商業施設清掃機器大手らと提携してブレインOSの市場を開拓している。ソフトバンク・ロボティクスもブレインの主要提携先だ。ブレインはそれと同様の手法によって配達ロボット市場にブレインOSを広めたい考えだ。

https://www.forbes.com/sites/amyfeldman/2019/04/02/softbank-backed-brain-corp-launches-delivery-robot-software-in-expansion-beyond-floor-cleaning/#545cbb42163c