Monday, April 08, 2019 10:11 AM

埋没現場での救助ロボットを開発

 カーネギー・メロン大学(CMU)とオレゴン州立大学の学生らは、鉱山事故発生時の作業員救出に利用するロボットを共同開発した。両大学の合同開発班は、米国防総省の国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency=DARPA、ダーパ)が主催する「地下チャレンジ(SUbT=Subterranean Challenge)」と呼ばれる技術競技大会に参加している。

 テッククランチ誌によると、SUbTは、「複雑な地下環境での地図作成や移動、捜索、技術開発を迅速化するための新たな取り組みかたの検討」を目的とする技術競技大会で、複数年にわたって実施される。鉱山から洞窟、地下鉄にいたる地下構造物で崩落事故や災害が起きた場合に、救助や捜索のために地下でも使えるシステムの設計を目指し、賞金200万ドルが用意されている。

 ダーパは、救助隊や捜索隊が入れない場所や安全上の理由から行くべきでない現場に派遣するロボットの開発をSUbTによって促進したい考え。

 合同開発班のソリューションは、複数ロボットと小型四輪駆動車(ローバー)1台、愛好家向けの小型ドローンを利用する。立体カメラとライダー(LiDAR=Light Detection and Ranging)を搭載したローバーが地下を移動して地図を作成し、がれきに埋もれた被災者を探す。障害物がある場合や、狭くてローバーが前進できない場合には、ローバー後部からドローンが離昇し単独で捜索を継続する。

 移動中のローバー後部から頑丈なワイファイ(Wi-Fi)中継器群を「パン粉のように」地面にばらまくことで通信可能範囲を拡大する。

 合同開発班は、開発初期段階の同システムについて、ローバーとドローンの実演に成功したが、それらを協調させて稼働させるまでにはまだいたっていない。合同開発班はロボットの試験を2019年9月に開始する計画だ。

 SUbTの最終競技会は2021年9月に開かれる予定。

https://techcrunch.com/2019/03/30/cmu-team-develops-a-robot-and-drone-system-for-mine-rescues/