Wednesday, April 10, 2019 7:39 AM
IBMのAI活用が職能開発と人事を変える
多くの会社での人工知能(AI)の導入増にともなって、必要とされる職能開発や人事のあり方が変わり始めている。
リーダーシップ能力開発を専門とするダン・ポンテフラクト氏がフォーブス誌に寄稿した記事によると、IBMのジニー・ロメティーCEOは最近、経済専ケーブル・テレビ局CNBCの主催した催事において人材と人事について語り、すべての職種が人工知能によって確実に影響を受ける、と述べた。
ただ、AI導入にともなう雇用機会喪失については、「本筋ではない」と同氏は話し、言及しなかった。
前CEOのサム・パルミサーノ氏の時代、IBMの社員数は45万人近かったが、現在、その数は約25%減の35万人以下に縮小した。その一因は人工知能にある。
ロメティー氏は、AI時代にスムーズに移行するために、企業は社員を再教育し、これからの時代に必要とされる職能の習得を支援していかなければならない、と訴えている。「求められる職能が何かについて、私は透明性を心がけている」と同氏は話す。
しかし、皮肉にもIBMの職能開発制度で人工知能が活用されるのにともなって従業員数は減っている。たとえば、同社の「マイ・キャリア・アドバイザー」と呼ばれる人事システムは以前にはセルフサービス方式で、社内人材公募といった情報を社員が自分で見つけるシステムだったが、最近では人工知能が社員の職能や経験にもとづいて職種を推薦するようになった。その結果、IBMは全世界の人事関連職の社員数を30%減らした。
IBMの社員向け学習管理システムは、「ネットフリックスのような」システムになってきた、とロメティー氏は説明している。社員のキャリアの進展に応じて、受講すべきコースや習得すべき技能を人工知能システムが推薦する。それはあたかもネットフリックスの人工知能による作品推奨機能のようだ。
同氏はまた、社員を積極的に引き留めていく戦略も重要だと述べた。IBMの人事システムの人工知能は、社員が転職を考えているかどうかを95%の確率で予想できるという。能動的な人材維持戦略によって「3億ドル以上の経費を削減してきた」と同氏は話した。
【https://www.forbes.com/sites/danpontefract/2019/04/06/ibms-artificial-intelligence-strategy-is-fantastic-but-ai-also-cut-30-of-its-hr-workforce/#6017af8c126a】