Wednesday, April 17, 2019 10:35 AM

仮想エネルギー・システム、オークニー諸島で始動

 仮想エネルギー・システム(Virtual Energy System=VES)を構築する事業がスコットランドのオークニー諸島で始動した。

 フォーブス誌によると、リフレックス(ReFLEX=Responsive Flexibility)と呼ばれる同事業は、民間研究機関の欧州海洋エネルギー・センター(European Marine Energy Centre=EMEC)が率いる。2850万ポンドの開発資金は、イギリスの科学&技術研究を振興するUKリサーチ&イノヴェーション(United Kingdom Research & Innovation=UKRI)が拠出する。

 同事業の目的は、オークニー諸島の再生可能エネルギー発電施設を相互接続して、デジタル・インターフェイスを介して管理できるようにすることだ。エネルギー供給側だけでなく、温熱や輸送交通のシステムとも接続することによって、単一の送電網の構築を目指す。同送電網は、将来のエネルギー開発にも効果的な枠組みをもたらすと期待される。

 「オークニー諸島で実現しつつあるのは、未来のエネルギー・システムの実証現場だ。ここで学ぶことが、いつかイギリス全体に導入され、世界中に輸出されていくだろう」と、イギリスのエネルギー&クリーン成長担当相のクレア・ペリー氏は述べた。

 同送電網には、家庭用蓄電池最大500機、大型蓄電池最大100機、V2G(vehicle-to-grid)充電器最大200機、電気自動車最大600台、島内の電動バスと電動自転車のシステム、暖房システム最大100機、さらに産業用水素燃料電池1機を統合する計画だ。

 同事業に参加するソロ・エネルギー(Solo Energy)は、発電状況をリアルタイムで監視および制御するためのソフトウェア・プラットフォームを導入する。蓄電池は再生可能エネルギーの発電量が多い時間帯に充電される。

https://www.forbes.com/sites/jamesellsmoor/2019/04/15/virtual-energy-system-of-the-future-coming-to-life-in-the-orkney-isles/#5ff4e2de6fa6