Friday, May 03, 2019 9:50 AM

倉庫の完全自動化にはあと10年かかる

 アマゾン(Amazon)は1日、完全自動化倉庫の実現が近い将来には不可能という見方を示した。現行の技術は、人間のすぐれた認識力に劣ることがその理由、と同社は説明した。

 ロイター通信によると、同社のロボティクス受注処理部長スコット・アンダーソン氏は、配送センター(オンライン受注処理センター、物流センター、倉庫)において、商品を特定して取り出し発送するという一連の作業過程を完全に自動化するには少なくとも10年かかる、と述べた。

 アマゾンは現在、米国内で110の倉庫と45の仕分け施設、50の配送センターを運営している。それらの施設で働く従業員数は約12万5000人。

 「現行の技術が可能にする機能はまだ限定的であり、これからいくつもの段階的前進が必要だ」と同氏は指摘。

 アマゾンの配送センターでは、台車のような自律稼働ロボット群が縦横無尽に走っている。それらの台車は、当該商品が収納された棚の下に潜り込んで棚ごと持ち上げて、発送準備をする担当者らが待つ場所に届けている。

 それが自動化されたことで、配送センター内を移動する作業員らの膨大な時間と労力は劇的に削減され、その結果、たくさんの商品のなかから当該商品を特定して発送準備を整える部分に作業員らが集中できるようになり、作業効率は大幅に向上した。

 一方、生鮮食品オンライン受注処理業務を含む環境・健康・安全担当国際部長デレク・ジョーンズ氏は、生鮮食品の取り扱いにロボットを使わない方針であることを明示した。

https://www.reuters.com/article/us-amazon-com-warehouse/amazon-dismisses-idea-automation-will-eliminate-all-its-warehouse-jobs-soon-idUSKCN1S74B9