Thursday, May 16, 2019 9:36 AM
エンパワード、大きな節電を可能にする機械学習で台頭
カナダのオンタリオを拠点とする新興企業エンパワード(EnPowered)は、機械学習を使って電力需要ピークを正確に予想し、節電効果を高めるサービスを提供し関心を集めている。
T&Dワールド誌によると、エンパワードは、2018年に20社にサービスを提供し、総額4000万ドルの電気代の節約に成功した。そのなかの1社であるエンシン・オブ・レンフルー(Ensyn of Renfrew)は当初、自前でのシステム改良に取り組んでいたが難航したため、エンパワードのシステムを採用したところ、40〜50%の節電につながったという。
電力の需要と供給は、需要反応によって均衡が保たれなければ送電や配電に支障をきたす恐れがあり、また、取り引き市場で販売される電力単価は需給関係によって変動する。したがって、需要の増減をできるかぎり早期かつ正確に予想することで、安い電力を調達することが求められる。しかし、それを正確に予想することは非常に難しい。
エンパワードは、需要と価格変動に関する歴史的な傾向とデータに加え、現在の温度や風力、結露点、湿度といった種々の因数を組み合わせたコンピュータ・モデルによってその精度を大幅に高めることに成功した。たとえば、オンタリオ政府の電力局は2018年に、電力需要5大ピークを特定してそれを通知した回数が33回だったが、エンパワードの機械学習システムではその回数は10回で、同社の予想のほうが正しかった。
同社は今後、米国市場に進出する計画だ。
【https://www.tdworld.com/demand-side-management/ai-and-machine-learning-better-energy-demand-response】