Thursday, May 30, 2019 9:50 AM
うっ血性心不全患者の容態をロボットで追跡
ロボット開発の新興企業カタリア・ヘルス(Catalia Health、サンフランシスコ拠点)は、心臓病患者の健康状態を追跡するロボットを開発して注目されている。
ベンチャービート誌によると、同社が開発したロボット「マブ(Mabu)」が追跡するのは、心臓病の一種であるうっ血性心不全と診断された患者たちの容態だ。マブは、カイザー・パーマネンテ(Kaiser Permanente)に通院する患者向けに2018年に導入され、これまで40人の患者に試された。それら患者の84%は、病気の兆候や症状を追跡できることに満足しているという。
マブは、人工知能を基盤にした会話型ロボットで、うっ血性心不全の患者に医師が問いかける内容と似た質問を患者に話しかける。たとえば、心肺近辺の体液量の異常増加(体液貯留)や体重増加、息切れに関する質問がその典型だ。マブは、回答内容から異常をすばやく検知して医療関係者に通知する。
マブはまた、専門的な質問に加えて、天気といったとりとめのない話題で患者と会話することもできる。うっ血性心不全と診断されたばかりの患者らの半数は、さまざまの課題を突きつけられたことで精神的に追い込まれているため、マブは世間話によってそれをやわらげる効果ももたらす。
カタリアは今後、患者からの反応や感想、保険会社との提携、そして最新の顔認識技術の応用によってマブの性能を強化する計画だ。
同社はまた、がん患者や免疫不全症の患者向けに同様のロボットを実用化しつつある。
同社はそのほか、医療従事者の煩雑な作業を取り除くロボットも開発中だ。たとえば、新しい薬を患者に投与した際に、その後の容態を電話で確認するといった仕事を代行することがロボットによって自動化される。
医療用ロボット市場では昨今、新製品があいついで導入されている。ケーブル・テレビ大手コムキャストは、個人の健康状態を聞き取り調査によって追跡する機器を開発した。また、デリジェント・ロボティクス(Diligent Robotics)は、独自開発のロボット「モキシ(Moxi)」をテキサス州の病院に提供し、看護士らの業務負担軽減に貢献している。
【https://venturebeat.com/2019/05/27/mabu-the-robot-helps-congestive-heart-failure-patients-monitor-symptoms/】