Tuesday, September 06, 2016 10:18 AM

スコットランドで潮力タービン・アレイが稼動〜世界初の並列連動に期待

 潮力発電所の開発を手がけるスコットランドのノヴァ・イノヴェーション(Nova Innovation)は、世界初となる潮力タービン・アレイを稼動させた。

 ガーディアン紙によると、このアレイは、北海と大西洋が接するシェットランド諸島沖のブルーマル海峡付近に設置され、各100キロワット時の計5基が稼働する見通し。ノヴァ・イノヴェーションはこのほど、2基目を稼動させ、地元の送電網への商業給電を開始した。

 既存の潮力発電システムは、複数のタービンを連ねるのではなく、1基で構成されている。ノヴァ・イノヴェーションのシステムは、複数の潮力タービンをアレイにした世界初のシステムだ。

 フランスのオープンハイドロ(OpenHydro)も2基を連ねる潮力タービン・アレイを開発中で、まもなくそれらの連携稼働が始まる予定。オープンハイドロのシステムは1メガワットで、ノヴァ・イノヴェーションのシステムよりもはるかに大きい。

 ノヴァ・イノヴェーションの2基の潮力タービンは、現時点で40%程度の出力で稼動している。設置には、ベルギーの再生可能エネルギー会社ELSAも出資した。いずれはこのタービン技術を世界各地に販売しく計画だ。

 スコットランドでは、波力エネルギー開発を手がける2社が最近に倒産したこともあり、ノヴァ・イノヴェーションの発表には、環境保護団体から歓迎の評価が寄せられている。

 「スコットランドには欧州で最強水準の潮流があるため、将来有望の潮力発電技術の開発を率いるうえで好条件を備えている」とWWFスコットランドのラング・バンクス代表は述べた。

https://www.theguardian.com/environment/2016/aug/29/world-first-for-shetlands-in-tidal-power-breakthrough