Thursday, February 27, 2020 8:50 AM
アマゾン、人工知能基盤の顧客対応システムを試験中
アマゾン(Amazon)は、同社サイトで購入する数百万人単位の顧客の質問に対応する機能の自動化に向けて、人工知能を基盤とするシステムを試験運用中だ。
ベンチャービート誌によると、同システムには2種類あり、いずれも、利用客から寄せられた質問に対して効率的かつ効果的に対応することを目的に設計されている。
一つは、顧客からの要望に自動対応するためのシステムで、もう一つは、顧客サポート担当者がより迅速かつ効率よく対応することを補佐するシステムだ。それらのシステムは、顧客からの質問を機械学習で学習する一方、対応できない問い合わせについては、人間の顧客対応担当者に転送する。
同システムは、テンプレート・ランカー(Template Ranker)と呼ばれる手法を採用している。用意されたひな形のなかから最適の回答を人工知能が選ぶしくみだ。また、テンプレート・ランカーは、顧客と担当者の過去のやり取りといったデータを学習することで、簡単な操作で新しいひな形を追加できる。
用意されているひな形では対応できない多数の問い合わせについては、人工知能がそれらの内容を解釈して最大公約数となる原理を見つけて新たなひな形回答をつくる。
アマゾンによると、機械学習が問い合わせ内容を学習していくことから、いずれは、同システムが状況に応じてその場で回答を考えるようになると期待される。
同社の顧客サービス技術管理部門で応用科学管理を担当するジャレッド・クレイマー氏によると、これまでの試験では、新システムは従来システムよりはるかに質の高い対応能力を可能にした。
調査会社ガートナーによると、チャットボット(人工知能基盤の顧客対応ソフトウェア)は2020年末までに米国内の顧客サービスの85%を自動化すると予想される。また、米国内の顧客対応職の30%はことし末までにチャットボットによって自動化され、年間2300万ドルの人件費を削減すると見込まれる。
【https://venturebeat.com/2020/02/25/amazon-tests-ai-powered-customer-support-agents-on-amazon-com/】