Wednesday, March 04, 2020 9:15 AM
ハネウェル、世界最強の量子コンピュータ開発を発表
ハネウェル(Honeywell)は3日、量子電算の研究&開発で大きな前進を遂げ、世界最強の量子コンピュータを3ヵ月以内に発表する見通しを明らかにした。
同社は、過去数年にわたって量子コンピュータの研究&開発を進めてきたが、その活動について多くを公表してこなかった。
テッククランチ誌によると、ハネウェルは今回の発表と同時に、ケンブリッジ・クアンタム・コンピューティング(Cambridge Quantum Computing)とザパタ・コンピューティング(Zapata Computing)に戦略的投資を実行したことも明らかにし、同分野での存在感を一気に高めた。
ハネウェルはさらに、JPモルガン・チェイスと協力して量子アルゴリズムを開発することでも合意した。ハネウェルは、マイクロソフトとの提携も最近に発表していた。
ハネウェルは、大型産業施設で使われる複雑な制御システムを構築してきた豊富な実績を持つ。その経験が、量子コンピュータで必要とされる高度のイオン・トラップ(電場や磁場を組み合わせて荷電粒子を捕捉する装置)の開発につながった。ハネウェルのイオン・トラップは、競合と比べてはるかに長いデコヒーレンス(量子系の干渉が環境との相互作用によって失われる現象)時間を達成できる、と同社は説明している。
その結果、量子ボリュームを64に高められる可能性がある。量子ボリュームは、量子コンピュータの進歩を定量化するための指標としてIBMが提唱している数値。IBMの量子コンピュータはこれまでに32を達成している。
ケンブリッジ・クアンタム・コンピューティングのCEOで、ハネウェルでの開発に以前からかかわってきたイリヤス・カーン氏は、ハネウェルが有するイオン・トラップ分野の専門性が競争力になっていると指摘する。「ハネウェルが選んだイオン・トラップの取り組み方は、量子ビット(quantum bit、キュービット)の量よりも質を重視する姿勢を示している」「非常に洗練された手法だ」とカーン氏は述べた。
ハネウェルでは現在、約100人の研究者で量子コンピュータの開発班を構成している。
【https://techcrunch.com/2020/03/03/honeywell-says-it-will-soon-launch-the-worlds-most-powerful-quantum-computer/】