Friday, March 06, 2020 9:47 AM
在宅勤務技術の導入プロジェクトが米国で加速
中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス「コーヴィッド19」の感染拡大を受けて、多くの企業が在宅勤務を支援するための技術導入プロジェクトを加速させている。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、クラウド電算システムを介した施設管理ソフトウェアを開発するサービスチャネル(ServiceChannel)では、在宅勤務に関するセキュリティー技術の導入プロジェクトを加速させたと同時に、オフィス閉鎖状況を社員に知らせるためのテキスト通知機能も予定を早めて導入する計画だ。
かたや、通信網の監視ツールを開発するアップネタ(AppNeta)では、遠隔会議ソフトウェアのライセンスを追加するために予算を増やした。同社は、長期的な計画として同予算をすでに確保していたが、それを増額した。さらに、サーバーの容量を確認して、自宅勤務の社員が増えても対応できるようにしている。
アップネタはさらに、ボストン本社に出勤する社員が減る場合に備えて、物理的な防犯(警備)とサイバーセキュリティーの体制を強化した。マット・スティーブンスCEOによると、同社は社員130人前後で、現時点では在宅勤務を義務づけておらず、各自の判断に任せている。
同社は最近、米国北西部を拠点とする社員一人を、直接の対人面接なしで初めて採用したばかり。武漢ウイルス感染の懸念から直接の面接を取りやめたという。
現在の武漢ウイルス感染拡大の状況は、オンライン協業や仮想的な職場環境を支援するツールをこれまで積極的に導入してこなかった会社をあと押しする効果をもたらしている。
調査会社のガートナーでは、インスタント・メッセージや電話会議、ウェブ会議といった業務用通信アプリケーションの世界販売高が拡大すると予想している。
シスコ・システムズのウェブ会議サービス「ウェベックス(Webex)」の2月の通信交通量は、中国の利用者数が20倍以上、日本や韓国、シンガポールの利用者では4〜5倍に急増した、とシスコは報告した。
【https://www.wsj.com/articles/coronavirus-sparks-business-tech-deployments-11583360607】