Friday, March 13, 2020 10:01 AM

海産物供給網をブロックチェーンで管理

 ノルウェイ拠点の海産物供給網管理技術会社シーフードチェイン(SeafoodChain)は、エンタープライズ・ブロックチェーン(Enterprise Blockchain)というブロックチェーン基盤プラットフォームを立ち上げ運用開始した。

 ZDネット誌によると、同プラットフォームは、ノルウェイ拠点の新興企業ユニソット(UNISOT)が開発した公開型ブロックチェーン技術を土台に構築され、海産物の出所(供給源)と品質を世界規模で遡及追跡(上流に向かっての追跡)できるよう設計されている。

 ユニソットのブロックチェーン技術は公開されているため、それを活用するための許可は不要だ。

 海産物業界は、世界の食品市場のなかでもブロックチェーンによる供給網管理技術の導入がもっとも速い分野の一つと位置づけられる。その背景には、多くの国の消費者意識の変化によって、倫理的かつ安全な海産物を買い求める動きが強まっていることから、正確かつ迅速、そして包括的な商品情報を消費者に提示しなければ競争に負けるという生産者側と供給網業者の危機感がある。

 シーフードチェインのエンタープライズ・ブロックチェーンを使えば、生産者や加工業者、流通業者、小売業者らは、規制遵守にもとづいた海産物であることを関係者全員と消費者に明示できる。また、海産物を供給網過程で移動させる際の管理コストも削減できる。全商品にはQRコードが付けられ、消費者や供給網関係者らはスマートフォンでQRコードをスキャンすることで、詳細情報をすぐに取得できる。

 エンタープライズ・ブロックチェーンには、天然魚を捕獲する漁師と漁場に関する情報から、養殖魚に関するDNA歴、繁殖周期、餌、養殖環境、収穫、加工、流通、小売、そして再生利用まで全過程に関する詳細情報を遡及追跡できる機能が組み込まれている。

 同プラットフォームは、水揚げされる港から加工場、小売店にいたるすべての供給網において商品データの確認と追跡を可能にする。それらの機能は、漁師たちのスマートフォン・アプリケーションや、自動化されたモノのインターネット(Internet of Things=IoT)検知器データ、ERP(enterprise resource planning)プラグイン、ビッグ・データ解析、そして機械学習によって実現された。

https://www.zdnet.com/article/how-seafoodchain-uses-blockchain-tech-to-provide-transparency-for-seafood-products/